先々週からはじまった、精霊の守り人のドラマ、シーズンⅡ。原作はドラマが始まるよりずいぶん前に読んでいて話の筋は知っていたのだが、昨夜放送分がちょっと知らないエピソードだったから復習のつもりで読みなおしてみた。
読みなおしてみたら、たぶん読み忘れていた巻だったのがわかった(笑)知らないはずだ。チャグムが何故虜囚の身なのか、どうやって虜囚の身を解かれ海に飛び込むのか。ここからは来週以降の話になるから予習も兼ねて読み進めたが、面白くなって止まらなくなり、計5冊、延々と読んだ。
面白かった。
チャグムが懸命に考え行動を起こした。奇跡というのは、天に向かって祈るものにおきるものじゃなくて、チャグムのように考え行動を起こしたものにおきるものなんだなって再認識。チャグムが動かなければたくさんの助けの手は現れないし、もがき苦しみながらも歩む道が地の道だと気づけることもなかった。己は神の子と育てられ穢のない宮から出たことがない父王がゆくのは天の道で、そこには奇跡は起きようはずがないのだな。天の道しか知らぬ父王が、他国の剣に護られたいなどと思うわけもないし、助けて欲しいと乞うわけもない。なるほどね、となんとなく納得。天と地の〜Ⅲ巻のあとがきに、チャグムと父は決着を漬けなくちゃいけない、でもどちらかがどちらかを消す事ではなくて、「別れる」のが正解だった、のようなことが書いてあった。本当にそうだなと思う。この別れの仕方が、父子にはあっていて、そうしなければ父はチャグムに位を譲れなかったんだろうな。だって神の子だから、天災を知らないなんて言えないし。
それからタンダとバルサの今後は番外短編で読んで知っているからいいとして、バルサは30を少し過ぎたところなのに、作中では「中年の女」と書かれていて…30なんてまだ若いじゃん?中年…なの…と、驚愕に打ち震えた(大げさである)。でも体力も傷の治りも20代よりは劣る、そうで…まあ…確かに、ね。
ドラマは、原作の出版順に描かれているのではなくて、2シリーズを同時展開させている。だから、チャグムが騙され宮を出る頃、バルサは原作では出てきていないから、その間は神の守り人としてアスラ達と出会っている。来年放送予定のものも、2シリーズを同時に展開させるようだから、つじつまを合わせるようにエピソードを作り変えるのは大変だろうな。
原作でバルサがアスラ達と向き合うにはロタの領主たちやイーハン王子と深くかかわらねばならない。が、チャグムも、ロタに関わっていく事になる。チャグムがロタと関わったあと、バルサは再びイーハン王子に会う。その頃にはマーサにアスラたちを預けているわけで…
なんにせよ、どういうふうに組み立てるのかが楽しみ。ドラマオリジナルキャラやエピソードが混じっていないし、原作にないエピソードは出ていないから、今のところはイイ。
NHK放送90年大河ファンタジー「精霊の守り人」の原作、上橋菜穂子「守り人」シリーズ公式サイト。1分でわかる精霊の守り人・登場人物相関図・シリーズ書籍紹介・著者紹介・関連作品など、最新情報をお届けします。
情報源: 精霊の守り人・「守り人」シリーズ 公式サイト | 上橋菜穂子 – 偕成社