きみに読む物語

『きみに読む物語』

ひと夏を過ごすために田舎町にやってきたアリーが、地元の青年・ノアと恋に落ちる。ひと夏だけの恋だと親たちは目をつぶるが、段々と見過ごせなくなり、引き離されてしまう。大学への進学のために遠い街へ引越すアリー、アリーへ毎日手紙を出すけど返事が来ず失意のまま戦地へ赴くノア。

アリーは従軍看護婦として負傷兵の介護にあたり、その際に知り合った資産家と結婚する事になる。大きな怪我もなく無事に帰還したノアは、アリーとの思い出の家を改築する。手すりを直し、ペンキを塗り、床を張り替える。この家の広告を、アリーは結婚直前の衣装合わせの日に目にしてしまう。

激しく動揺したアリーは婚約者に許しを得て、ノアのもとへ足を運ぶが、そこで待っていたのは…

前半の、二人の若者の、気持ちのままに笑い歌いはしゃぐ様はかわいらしい。夏も終わりに近づき、引き離されてしまうあとからは切ないけど、再会した二人は若い頃とは違う激しさで互いを求めあって、大人になったんだなあ…と。

ラストは、えええ?と思う描写だったが、幸せそうなのでアレはアレでいい…。

バースデーカード

『バースデーカード』

毎年誕生日に、亡き母から届くバースデーカードを巡る家族の愛の物語でした。

さあ泣きなさい、泣けるよね?泣いて?ホラホラ。みたいな、感動の押しつけになっていないのがとても好感が持てました。

バースデーカードは母から子への見守る愛だけど、父から子、恋人、友人、姉弟…いろんな愛が描かれていました。なんてこと無い日常の中にそれはあるんだなあってしみじみ…。

あぁっなんでそんなことを言うの!というシーンが出てくるのだけど、それは主演の橋本愛さんからの提案だったそうで、さすがだな…。あまちゃんの時とはまた違う橋本さんのこれからも楽しみになったし、作中、とてもクールに見える内気な紀子が、時々感情を爆発させて大きな声を出したりするのも人間的でよかった。一見するとチャラそうな弟なのに姉ちゃん想いでとても優しい人になっているのもきっとバースデーカードのおかげだったんだろうなあ…出て来る人物みんなが優しい人で、胸にじんわり熱いものが残りました。

 

三銃士(1993)

『三銃士』

アレクサンドル・デュマ著「三銃士」が原作で作られていて、1993年公開のこれは、その中の一部分、ダルタニアンがリシュリューと戦い三銃士の仲間になるまでを描いている。王妃の侍女・コンスタンスと恋に落ちる描写や、妖しい貴婦人・ミレディーも絡んでいて、スピード感があって、面白い。

ところはフランス王国、時はルイ13世の治世。ガスコーニュ出身の田舎貴族ダルタニャンは、銃士になることを夢見てパリに出てくる。ところがパリへの道中で謎の騎士に紹介状を盗まれてしまう。何とか近衛銃士隊長トレヴィルへの謁見を成功させたが、またも謎の騎士のせいでトレヴィルの好意を無下にしてしまった。挙句、成り行きで銃士隊でも三銃士として名を馳せるアトス・ポルトス・アラミスと決闘をする羽目になる。ダルタニャンは意を決して三銃士との決闘に赴いたが、アトスとの決闘を始めた途端に枢機卿リシュリューの護衛士が現れる。過去の因縁から決闘は中断となり、三銃士と護衛士の戦いとなる。ダルタニャンは三銃士の仲間として護衛士と戦う事を選び、枢機卿派きっての剣客ジュサックを下して三銃士側を勝利させる。この事件でダルタニャンは三銃士の仲間入りを果たした上に、トレヴィルや国王からも一目置かれる存在となる。ある日、ダルタニャンは家主ボナシューの依頼で彼の妻である王妃の下着係コンスタンスを探す事になる。ダルタニャンはコンスタンスに恋をし、そこから枢機卿リシュリューの陰謀に陥れられる寸前の王妃アンヌ・ドートリッシュの危機を知る。強引にコンスタンスの依頼を受けたダルタニャンはバッキンガム公爵からダイヤの飾り紐を返してもらうため、三銃士とともにイギリスを目指す。一方、イギリスでは謎の貴婦人ミレディーが暗躍していた。

情報源: 三銃士 – Wikipedia

色々なキャストで制作・公開された作品だけども、1993年公開のこれが一番なじみがあっていい。

アトスの髭具合と真面目なところ、ポルトスの陽気さ、アラミスの似非神父っぽさ。いずれも魅力的。王妃や侍女のドレスはとても優美だし、建物の様式も美しく自然も目にまぶしい。ミレディの妖艶さったらこの上なくて、あれでは皆メロメロになるだろうな(笑)。

そして三銃士の的・ロシュフォール!この方も妖しさ全開で、強そうなんだけどたいして凄みも無く、でも存在感はばっちりあった。枢機卿のリシュリューは悪役らしいお顔つきがとても良く似合っていた(笑)

 

幻影師アイゼンハイム

『幻影師アイゼンハイム』

家具職人の息子エドゥアルドと公爵令嬢ソフィは幼い頃、身分の隔たりを越えて恋に落ちた。だが、大人たちによって引き離され、少年エドゥアルドは村を去った。遠く東洋まで旅をしたエドゥアルドは、以前から熱中していた奇術の技を磨き、成人後は大人気の幻影師アイゼンハイムとして知られるようになった。ウィーンでの公演中、ソフィと再会するアイゼンハイム。オーストリア皇太子レオポルドと婚約間近とされているソフィだが、過去に女友達への暴行と殺害の疑いがあり、父である皇帝の追い落としを謀るような傲慢で残忍な皇太子を嫌っていた。密かに逢瀬を重ね、互いの変わらぬ愛を確かめ合い、駆け落ちを計画するアイゼンハイムとソフィ。だが、ソフィから婚約しないことを告げられた皇太子は、剣を手にソフィの後を追った。翌日、遺体となって発見されるソフィ。犯人が逮捕されても、町中が皇太子の仕業だと噂する。そんな中、アイゼンハイムは幽霊を呼び出す新作公演を始めた。皇太子からアイゼンハイムの監視と、追い詰めることを命じられたウール警部は、アイゼンハイムに好意を持つがゆえに事態を打開しようと奇術のトリックを探るうちに、徐々にソフィ殺害の真相に近づいて行ってしまうのだった。

情報源: 幻影師アイゼンハイム – Wikipedia

テレビ録画しておいたものを観た。面白かった。

ただ、映像が暗めで明るい室内だと見辛かったから、やっぱり映画は暗い室内で観たほうが面白い。時代背景が古いし、ああいう暗めの色合いのほうが世界観を現せていいのかもしれないけど。

衣装や建物などは美しくてうっとり。セリフもおろそかにそっちばかりみてしまうから、やっぱりホリディで英語はベラッベラにならないとダメだなって再認識。

ラストはとても爽快!ポールさんの表情と、それまでのシーンが交互にうつりだされて、あの時のアレが!ああだから!って騙されてたことに気づく瞬間は気持ち良かった。どこから騙されてたのかな…(笑)

暴君にみえた皇太子も実は寂しかったし不安だったし誰かに認めて欲しかったんだなって思うとあの最期はちょっと切ない。

また放送があったら観てみたい。

ショコラ

『ショコラ』

何度めかの視聴。わりと好き。

フランスのある村に一組の親子が北風とともにやってきた。その親子ヴィアンヌとアヌークは、そのルーツである南米から受け継がれるチョコレートの効能を広めるため世界中を旅していて、この村でも老女アルマンドから借りた物件でチョコレート店を開店する。 周囲の好奇の目が向けられる中店を開いたヴィアンヌは、一人一人の希望にぴったりと合うチョコレートを差し出し、その不思議なチョコレートの作用から村人達を惹きつけていく。とりわけ、夫の暴力に悩むジョゼフィーヌや、その奔放な性格のせいで厳格な娘から絶縁されているアルマンドにとっては、ヴィアンヌの明るく朗らかな人柄やチョコレートの美味しさと不思議な効果は、ひとときの安らぎとなるのであった。 しかし今は四旬節の断食の期間。ミサにも参加しようとせず、私生児であるアヌークを連れたヴィアンヌの存在は、敬虔な信仰の体現者で村人にもそれを望む村長のレノ伯爵の反感を買ってしまう。この村は伝統と規律を守る厳格な村なのだ。レノは村人たちに、ヴィアンヌのチョコレート店を悪魔的で堕落したものだと説いて出入りを禁じ、またジョゼフィーヌの夫のセルジュを信仰の力で更生させようと躍起になる。 そんなある日、村にジプシーの一団が流れ着く。レノによって村人たちから「流れ者」としてボイコットされる彼らと境遇を同じくするヴィアンヌは、そのリーダーである青年ルーと思いを交わす。そんな様子を知ったレノは、ますますヴィアンヌに対する風当たりを強めていく。 追い込まれたヴィアンヌはアルマンドに悩みを告白。自分の誕生パーティーを一緒に開こうというアルマンドの提案を受け、ヴィアンヌは多くの村人やジプシー達に声をかける。パーティーの席上でチョコレート料理を振る舞い、さらにはジプシーたちの船上で続きを行うことで村人たちとジプシーたちをある程度繋げさせることに成功し、明るさを取り戻すヴィアンヌであったが、その様子を見ていた村長とセルジュは彼女達に対する反感をより一層募らせていく。

情報源: ショコラ (2000年の映画) – Wikipedia

アルマンドが、孫と会えて、一緒に笑いながら踊り、美味しい食事に楽しい時間を過ごせたのはよかった。厳格な娘の言うことを聞いていてもそれはそれで幸せだったかもしれないけど、奔放な性格の彼女の欲しい幸せじゃなかったろうから、よかった。

中盤から出てくるジョニーデップ。すっぴんと普通のしゃべり方、 それから優しい視線や役がすごくホッとする。 ギター?の音色もいいし惚れる。ヒゲ具合もセクシー。言うことなし。

ラスト、この街に腰を据える事を決めたシーンが好きだ。チョコにより村人が古い因州から解き放たれたのと同じく、 ヴィエンヌも、旅をして生きてきて、彼女を縛っていた何かから解放されたんだと思うとホッとした。

ジョセフィーヌの新しいお店が「カフェ・アルマンド」なのが、なんとなく嬉しい。